愛知県岡崎市 桑原佐利社労士事務所の障害年金相談サイト

保険料納付要件

障害年金を請求するには、最初に大事な要件があります。

年金制度は社会保険の仕組みを採用して、国の管理のもと、企業や個人で出し合った保険料と税金で成り立っています。つまり国が運営する保険ですね。

自動車保険や生命保険をイメージしてみてください。
万一の場合、きちんと保険料を納めていないと失効になってしまい、保険会社は保険金の請求に応じてくれませんよね。

国の保険も基本的にはきちんと保険料を納めていないと、保険金を支払ってくれません。


(趣味のツーリングの1ショット)

しかし、年金制度はうっかりして過去に保険料を納め忘れた時期があっても、一定の期間内であれば助けてくれます。ここが国の年金制度の救済的な部分です。

その条件とは、障害年金(初診日)・遺族年金(死亡日)に共通です。
(1)『初診日』のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
(2)『初診日』において65歳未満であり、『初診日』のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと。

上記のいずれかに該当すれば、多少は納め忘れの時期があっても年金請求の門が開きます。
(*毎月の保険料の納付は税の納付と同じで法律で定められた義務です。多少は納付しなくてよいという意味ではありません。)

その病気やけがで最初に病院へ行った日を『初診日』といいます。
また、年金保険料は、当月分の保険料を翌月末までに納めるよう法律で定められています。
(1)、(2)のように『初診日のある月の前々月までの』とされているのは、『初診日』において、上記の要件に納付日が足りない場合、後日あわてて未納の保険料を支払ってもダメですよ!ということです。(*障害年金が請求できなくなっても保険料は支払う必要があります。)

自動車保険でも、事故があってから払い忘れた保険料を支払っても保険金はおりませんよね。

初診日における納付要件は非常に大切です。この納付要件を満たさなければ障害年金を請求する門が開きません。どんな強引な手段を使っても無理にこじ開けることはできません。

ケガや病気で治療が必要な場合、病院には治療後に診療代金を支払えばよいです。
ケガや病気で障害年金を請求する場合、後払いではダメなんです。

将来、老齢年金を受給することをイメージできても、最初から障害年金を受給するイメージを持つ人はほとんどいないでしょう。
年金受給のことを考えて病院へは行きませんよね。突発的な事故やケガなら尚更です。

さまざまな事情や年金への不信感から、保険料をほとんど支払ってこなかった場合があるとします。

ある日、体調がすぐれず、近くの病院を受診しました。そんなに大した症状じゃないと思って数年通院していたら、だんだん症状が重くなって身体に不自由がでるようになりました。仕事もできず、日常生活も一人では満足にできなくなってしまいました。障害年金を受給できると思われるほどの症状です。

こんな場合、障害年金を請求できるでしょうか?

上記の(1)、(2)のどちらかの条件に当てはまらなければ障害年金は請求できません。
それだけ保険料の納付は大事です。

あと、病院にかかった際の診察券・領収証・お薬手帳などは必ず保存しておいてください。整理が面倒なら大きな封筒や箱に入れておくだけでもいいです。

初診日はその当時かかった病院に証明してもらわなければなりません。

少しずつ症状が進行した場合、初診日が10年以上まえになることもあります。しかし病院がカルテを保存する義務は法律で5年間と決められています。せっかく初診日における納付要件を満たしても、初診日を証明できなくて障害年金を請求できない、といったことが意外と多いです。

保険料の納付、納付ができない場合は免除申請(国民年金の被保険者のみ)、病院に行った際の記録は必ず残すこと。
以上のことを日頃心がけてください。万一の際に障害年金を受け取ってもらえるように。

社労士紹介

 

桑原佐利

社会保険労務士

        桑原 佐利(くわはら さとし)

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